『GIANT KILLING 8』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2008.11.23 21:54
Amazonおすすめ度:

※バレ要素が多少ありますのでご注意ください
単行本2ヶ月連続リリースの第2弾となる8巻。
7巻に引き続き、リーグ戦第10節の大阪ガンナーズ戦が収録されています。
大阪戦は、8巻でも完結していないので、今回もなるべく手短にまとめていきたいと思います。
※
前半17分にハウアー、前半37分に窪田に決められ、2点のリードを許してしまっているETU。
特に窪田の動きが抜群の動きを見せ、前半は、ほとんどいいところがなく終わってしまうのですが、ここから試合の流れを変え、同点、逆転と試合をひっくり返していくことができるのか・・・といったところが注目ポイントとなっていきます。
ハーフタイムでのロッカールームでの達海の言葉の数々、自分たち(CB)の不甲斐なさに憤る黒田、前半いいようにやられっぱなしだった杉江の意地、「FWとしての決心が足りない」という達海の言葉から完全に自分のプレーを見失ってしまう夏木・・・
ETUのクラブ側の話ばかりでなく、相手の大阪ガンナーズ側にも彼らなりの戦いがあり、スタンドでは新旧のサポーターたちがそれぞれのスタイルの違いから対立を見せている。
そんなあらゆる人々のあらゆるドラマは、ときには笑い、ときには熱くなり、ときには祈るような気持ちで・・・本当、完全にジャイキリワールドに感情移入して読んでしまいますね(笑
8巻は、達海が「見えるものだけがすべてじゃない」と、仕掛けていた作戦が徐々に功を奏し始めていく過程と、結局無駄に空回っただけだった(と私は思うw)夏木のエピソードが良かったかなぁと思います。夏木のエピソードについては、もうちょっと深みを持たせることができたんじゃないかという気持ちもあるんですけど、回想シーンのあれこれがかなり笑わせてもらったので、これはこれでよしと考えておきます(笑
あとの細かい部分については、下記にある今週の『GIANT KILLING』の過去ログを読んでいただければと思います。あくまで、当時連載を読んだときの感想や見解を書いているということを念頭において読んでいただければと思います(笑
※
あとは、単行本のおまけ要素について。
まずは、毎回恒例の初版限定ステッカー。
↑今回は横長になっていますね。
巻頭には、今回のETUvs大阪のフォーメーション図が掲載されています。
この図にも、ツジトモ先生のセンスの良さを感じるのですが、大阪のサブの選手が作中と全然違ってしまっているのが少々残念です(これは、重版で訂正されていくのでしょうか?)。
けど、こうやって見ていくと、ETUは、やはり世良が左サイド気味だったんだなーとか(登録ポジションと実際のポジションが違うのはよくあることです)、そういえば宮野はFW登録の選手だったけなーとか、知らなかったコーチの名前が分かったりと、こういうのは面白くていいですよね。
それと、カットの"ああ見えて実は・・・"ネタも面白かったです。 てか、松ちゃん、ストライカーだったのかよ(笑
あとは、ステッカー&ポストカードのプレゼントもあり、締め切りは12月31日までなっていますので、欲しい方は忘れないように早めに応募しておきましょう(←という自分が一番よく忘れるのですがw)。
※
さてさて、ジャイキリの9巻についてですが、発売はすでに2009年1月23日で決まっているようです!
ETUが1点を返し、絶好調だった大阪の窪田がベンチ下がり、本格的にETUに流れが傾いていくところを、達海、ダルファーの両監督はどんな采配を見せていくのか?
そんな監督同士の微妙な心理に、クライマックスを迎える大阪戦の勝負の行方などなど、単行本派の方は、巻末の次回予告を眺めながら、2ヵ月後の9巻の発売を楽しみに待っていてくださいね。
■ 掲載
#68~#77
週刊モーニング2008年26号~35号
赤崎のゴールシーンまで収録
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『GIANT KILLING 7』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2008.10.26 20:35
※ネタバレ要素が多少ありますのでご注意ください
単行本2ヶ月連続リリースの第1弾となる7巻。
収録されているのは、リーグ戦の第10節、これまでリーグ戦無敗で首位を走る、大阪ガンナーズ戦の前半部分。
大阪戦の全体を通した感想は、試合が終了したところでまとめていきたいと思っているので、今回は、事前の予告通り、なるべく簡単に7巻を読んだ感想を書いていきたいと思います。
※
まずは、毎回恒例となっている、初版限定ステッカーについて。
今回は、"椿ステッカー"となっています。
この、"椿"の文字は、誰が書いたんでしょうかね?
ステッカー付きの単行本が欲しいって人は、早めに本屋へと急ぎましょう!
※
それでは、7巻を読んだ感想を。
ストーリーの見どころは、4人のFWを擁し圧倒的な攻撃力を見せ、無敗で首位を走る、大阪ガンナーズに対し、達海猛率いるETUがどんな戦いを見せていくのかといったところになっていくのですが・・・
試合はまだ前半ということで、スコアは動きますが、試合の全体像が見えてくるのは、まだまだこれから。
単行本派の方は、試合の流れ、選手たちの様子を見ながら、8巻以降の展開をあれこれ想像しながら読んでいくと楽しめると思います。
7巻は、これまでの6巻と比べると、"胸が熱くなれずにはいられないぜー!"というような、大きな盛り上がりはないかもしれないですが、あらゆる登場人物のイキイキと姿や、やり取りの楽しさ、大阪戦がキックオフするまでのスタジアムの気持ちが高ぶっていく雰囲気だとか、ジャイキリらしい魅力が随所に散りばめられていて、やっぱり面白いものは面白い!(笑
私は、この基本的なジャイキリの世界観が大好きです。
その中でも、個人的には、黒田と大阪の4トップのひとりハウアーのマッチアップ、この両者のやり取りがすごく面白くて楽しませてもらいました。
髪型をめぐるやり取りもそうなのですが、サッカー描写的にも、このふたりの戦いはすごく熱い!
(直接の1vs1での勝負は決して負けてなくても、試合の流れからハウアーに得意のヘディングを許し先制されてしまう場面なんかもサッカーというスポーツの面白さを描いていると思います)
その他諸々については、毎週の連載の雑感を書いた"今週の『GIANT KILLING』"のログをたどって読んでいただけたらと思います(各記事へのリンクは下記にて)。後になって読み返すと、ときに見当違いなことを書いてたりもしますが、それはあくまでその当時私が思ったこととして、笑い飛ばしてもらえばいいと思いますよ?(笑
※
あとは、単行本ならではの要素として・・・
冒頭部分には、応援グッズとして欠かせない、ETUのタオルマフラーのデザインが(ぜひとも、グッズとして作成してほしいですね)。
1話と1話の間にあるカットや、巻末の8巻の予告などは、いつもながら秀逸の出来。
それと、7巻は、スカルズ特製『ETU』Tシャツのプレゼントもあります。
Tシャツの画像は、オフィシャルのほうにあります。
当たるかどうかは分かりませんが、私も応募してみるつもりです(笑
※
さて、単行本2ヶ月連続リリースとなる8巻は、引き続き、大阪ガンナーズ戦が描かれていきます。
2点のリードを奪われてしまったETUが、これからどんな戦いを見せていくのか。
ピッチの中で繰り広げられる様々なドラマ。
それらを、単行本で改めて読むのを楽しみにしています。
今一番売れているサッカマンガ・・・ではないのですが・・・、
サッカーというスポーツのあらゆる"ハート"が詰め込まれた『GIANT KILLING』の世界観に、サッカー好きの人もそうでない人も、一度は触れてもらえたらなぁと思います。
■ 収録
#58~#67
週刊モーニング2008年15号~25号
ETUvs大阪ガンナーズ、ETU2失点目のところまで収録
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『GIANT KILLING 6』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2008.07.27 14:59
※ネタバレ要素がありますのでご注意を!
もうとにかくワクワク感が止まらないサッカーマンガ(管理人主観による)、『GIANT KILLING』6巻を読んだ感想を。
まずは、毎回恒例となっている、初版限定ステッカーは、"ミスターETUフラッグ"ということで・・・
個人的に、白地に黒の方が良かったかなぁと思いますが、隅田川スタジアムに行けばこんなゲーフラありそうだなっていうデザインで(もしかして、作中で出てたかも?)、いいんじゃないかと思います。
ステッカーが付きが欲しい人は、急いで本屋に買いに行くべし!
※
6巻は、名古屋グランパレス戦の終了のホイッスルが鳴った後の続きから始まっていきます。
ちょっと場面的には、中途半端なところなので、より感情移入度を高めて6巻を読むためにも、まずは、ちょっと巻き戻って5巻の終盤あたりから読み始めることを個人的にはお勧めいたします。
ということで、まずは、6巻のストーリーの見どころをまとめますと・・・
1、勝利を収めた名古屋戦後の余韻
2、新キャラ・夏木陽太郎の登場と、そこから生じるFW3人の人間ドラマ
3、その後シーズン前半のETUの戦いぶり
このあたりがポイントになってくるかと思います。
※
その中で、今回のメインとも言えるのは、やはり、新キャラ・夏木陽太郎の登場と、そこから生じていくFW3人の人間ドラマとなるでしょう。
夏木は、怪我により8ヶ月ぶりにチーム合流し、変なヤツかもしれないけれど、昨シーズンのチームの得点王であり、復帰すれば、FWのレギュラー争いの筆頭にいるべき男。
そんな夏木が復帰してきたことにより、危機感を募らせるそれまでのレギュラーである若手の世良恭平。そして、もうひとり、ベテランの堺良則、この3人がETUのFWのレギュラー争い圏内にいます。
夏木は、わけわからん行動で我々を笑わせてくれるのもひとつの魅力ではありますが、怪我で長期離脱(一部自業自得な部分もあり)という苦しい時期を乗り越え、再びピッチに戻ってくることができた・・・、そんな夏木の周囲への感謝の気持ちと復活に懸ける想いは、単行本で読み返して、改めて涙ぐみながら読んでいました。
世良は、夏木の復帰でレギュラーの座を奪われてしまうかもという焦りからの空回りしまくっていくのが、ストーリーの見どころのひとつなのですが、そんな彼の境遇を見るたびに、応援したくなっていきます。
堺は、少々扱いが小さめなのが残念なのですが、現状レギュラー争いの3番手ではあるけれど、プロとして己のコンディショニングに細心の注意を払い、決して諦めずに、虎視眈々とレギュラーの座を狙っているところに尊敬の念を抱きました。そして、「ボールってのはな世良…… しぶとく諦めない奴の前に 必ず転がってくるものなんだよ」は、6巻で一番の名言でしょうないでしょうか。
多少扱いに差がありますが(こればっかりは仕方ない)、この3人それぞれに、彼らなりの思いが描かれていて、それぞれに違った魅力があるところがとてもよかったです。
※
自分の好きなリアルのサッカークラブを応援している感覚で、ETUのことも感情移入しながら見ているとしては、勝利した名古屋戦後の余韻のあれこれというのもニヤニヤしながら読んでいました(笑
先程、ちょっと巻き戻って・・・と書いたのは、この勝利後の余韻をより深く味わうがためのものなのです(笑
書きたいことはいっぱいあって、ひとつひとつは書ききれないのですが、試合後のピッチでの選手たちのやり取りや喜ぶ様子、後日勝利したETUの記事を読むためにフットボールダイジェストを求め本屋へダッシュする子供たちに、達海の現役時代と同じ7番をつけた椿の活躍を見て本気になり始める古株サポ・・・
それらは、自分の応援したときのクラブが勝利したときの幸せ感がすごくよく伝わってきて、読んでいて、ほんっとに楽しくなってきてしまいます(笑
こういう楽しさが得られるサッカーマンガというのは、なかなかないんですよねー。
その中でも、試合で輝きを放った椿が、ヒーローインタビューを終えた後、コシさんに促されてサポーターのところに挨拶をしに駆け寄っていくシーン、あの絵が特に秀逸でした。
ゴールを決めた夏木のときもそうですが、ああいう選手とサポの絵って、すごくいいですよね。
表紙の見返しの部分でパッカくんも言っていますが・・・
「Football makes people Crazy!」
この英文のカッコいい意訳については、私は英語が苦手なので、他の人にお任せしますが(苦笑)、サッカーに熱狂する人々の"heart"をあますことをなく描いてくれているジャイキリは(1巻の感想を参照)、本当に魅力的だな思います。
※
あと、他にも新潟戦のハーフタイムで達海がバラバラになりそうなチームをひとつにまとめる場面だとか、リーグジャパンチップスのことだとか、ジャイキリのサッカー描写の好きなところだとか、他にも書きたいことはたくさんありますが、とてもじゃないけどここでは語りきれないので、あとは、連載を読んだ当時雑感をたどって読んでいただければと思います(一番下にリンクがあります)。
※
・・・ということで、今回は、サッカー描写よりも人間ドラマを中心に描いたストーリーでした。
サッカーというスポーツの醍醐味に、自分の生活の中にサッカーがある楽しさを、ツジトモ先生がダイナミックにセンス良く描いてくれるジャイキリは、誰が何と言おうと今の自分にとっては、"絶対的な存在"。
確かに、私の主観的な感情移入度の強い作品ではありますが、決してそれだけではなく、世間一般的にも、今一番勢いのあるサッカーマンガですので、まだ読んだことのない方は、一度ジャイキリワールドに触れてみることをお薦めいたします。
私たちと一緒にジャイキリワールドを楽しもうぜ! と(笑
※
それと、本編とは直接関係のない部分での話。
今回も、1話と1話の間にあるカットが、めちゃくちゃ面白かったです。
体重が5kgも減ってしまった後藤カットは、実際にここまでの彼の苦労を考えると笑えないですが(いや、むしろここは思い切って笑い飛ばしてあべるべきなのか)、女子サポに囲まれてる椿に嫉妬する黒田だとか・・・
その中でも個人的に一番笑えたのが、夏木が徳井コーチと緑川に怒られてたやつですね。きっとその後怒られまくったんだろうなぁって想像していたものが、そのまま絵になっていたので(笑
パッカくんのPKゲームについては、実際に組み立てて遊んだ方、レポート待ってます!(笑
ボールは、サッカーボール型の消しゴムを使うと、より雰囲気が出るかもしれないですね。
※
さて、7巻に向けてですが・・・。
巻末の予告ページにもあります通り、大阪ガンナーズ戦編へと突入していきます。
3巻のプレスカンファレンスでも顔を合わせたダルファー率いる大阪ガンナーズ相手に、達海率いる我らがETUどんな戦いを見せてくれるのか。
そして、ここでもまた躍動する愛すべき(でも、ETUサポの視点で見れば憎き)敵役たちの存在も合わせて、また3ヵ月後を楽しみに待つとしましょう!
■ 掲載
#48~#57
週刊モーニング2008年4・5号~14号
アルビレオス新潟戦まで収録
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『GIANT KILLING 5』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2008.04.30 01:41
※ネタバレ要素も含んでいますので、まだ読んでいない方はご注意ください
記事の更新が遅れてしまって、申し訳ありませんでした。
『GIANT KILLING』5巻のレビュー(というよりも、完全に主観的な感想w)です。
まずは、毎回恒例となっている、初版限定ステッカーの画像より。
今回は、4巻の最後のところでキックオフされた、名古屋グランパレス戦の試合終了までが掲載されています。
まぁ、正直なところ、5巻は書きたいことが多すぎて、とてもじゃないけど、話をまとめきれそうにありません!(笑
なので、1話1話の細かい感想については、毎週の連載の雑感を書いた"今週のGIANT KILLING"を読んでいただくとしまして(記事の一番下に1話ごとのリンクを貼っておきました)、今回は、単行本で全体を通して読んで、改めて思ったことを中心に書いてみたいと思います。
※
5巻のストーリーは、かつてETUが2部に降格してしまったときに監督を務めていた、不破が現在率いる、名古屋グランパレスとの対戦が描かれているわけですが・・・
ETUにいた頃とは違い、資金力が豊富で、自分の理想とするチーム作りができ、なおかつ、ここまで開幕から負けなしと結果もしっかり残している不破に対し、相変わらず弱小で貧乏なETUを率いる、主人公・達海は、いかにして名古屋グランパレスを打ち破っていくのか。
まさに、この作品のタイトルにもある、"ジャイアントキリング"を起こすためのETUの戦いぶりが、今回のメインテーマとなっています。
強者である側が攻め、弱者である側が守り、攻めながらもなかなか先制点を奪えない強者の側が、より攻めへの意識を高めていったところを、弱者である側が一発のカウンターで先取点を奪うという、ジャイアントキリングが起こる形としては、わりとありがちなところだと思います。
で、今回私が改めて絶賛したいのは、そのジャイアントキリングが起こるまでの試合の流れの作りや、勝負を決する瞬間を描いたドラマティックさが、本当に言葉なんかじゃ言い表せないほどに秀逸すぎるんですよ!
それ(後者の部分)については、とにかく、連載を読んだ当時(#45~#46あたり)に書いたものを読んでくれと(笑
冷静になって読み返すと、ちょっと恥ずかしさもあったりするんですが(苦笑)、きっと、私が後付けで何を書こうとも、その当時、リアルタイムに得た熱狂を素直に言葉にしたものに勝るものはないと思うので。
前者に関して言えば、確かに、マンガとして成り立たせるため、都合よく展開してしまってる部分などはあるのですが(それだって、一般的なスポーツマンガとすれば微々たるもの)、リアリティ路線のサッカーマンガとして、サッカーというスポーツの真理や不条理なところなどもちゃっかり描かれているというか、監督が主人公のサッカーマンガだけど、必ずしも、「すべては計画通り」となってはいないところがいいと思います。
達海の中に試合に勝つためのプランがあって、その狙い通りに試合が進んでいたとしても、相手もそれを崩すための工夫を凝らしてきたり(名古屋のタニが板垣へのパスコースを横切ってエリア内に走ることで、本来板垣のマークをすべき黒田を引きつけた描写や、板垣が味方のオーバーラップを待ってパスを出す描写)だとか・・・
丹波や村越の軽率なプレーがきっかけから、あわやの決定的なチャンスを招いてしまったり・・・
など、偶発的な要素なども適度にミックスさせることによって、場合によってETUにとって不利な展開になっていく可能性もあったかもしれないってことを示し、それが、より試合の流れがナチュラルに感じられるのかなと思っています。
ウンチク的な描写が深くなくとも、作画の表現力でナチュラルさを描けるジャイキリは素晴らしく、ツジトモ先生は本当にいい仕事をしていますよね。今取り上げた部分以外にも、ディテールにこだわりが感じられるのが、好感が持てます。
※
そして、ジャイキリのサッカー描写以外の別な魅力といえば、イキイキと躍動する登場人物たちの描写があります。
達海をはじめとした、ETUをとりまく人々も、すっごくイキイキとしているのですが、今回はそこにはあえて触れず(笑)、敵役ながらも、素晴らしい個性を見せ、私たちを楽しませてくれた、名古屋グランパレスの選手たちについて少し。
かつて、ETUの監督として、ETUを2部へと降格させてしまった不破。
ただのイヤミな男だけではすませず、しっかりと自分なりの理念を持って動いていた結果が、ETUのフロントとの確執を生んでいて、ETUサポたちにとっては、そりゃ、悪者扱いとなってしまうのは、仕方のないことですが、不破の考え方そのものが一方的に間違っている的な描かれ方がされてないのがよかったです。
そして、板垣。
黒田とのマッチアップが最高でした。
最後の、次への成長を感じさせるシーンがまたよかったです。
そしてそして、ブラジルトリオ。
サッカー描写でも、それ以外でも、彼らの見せる個性が、サッカー描写のワクワク感に加えて、作品を読む"楽しさ"彩ってくれていると思います。特に、連載時にもしつこく取り上げましたが、ペペがかわいすぎる!
味方ばかりでなく、敵役にまでも、感情移入してしまうような、描かれ方がされているところは、よかったです。これで、ますますジャイキリが好きになっていきましたもん(笑
※
あー、あと、他にも覚醒する椿だとか、いい仕事しまくりな王子だとか、あとたった3コマの出番だけなのにもかかわらず、強烈な個性で私のハートを鷲づかみしたドミンゴのことだとか(コーヒー店を経営してるドミンゴのカットがあって嬉しかったよw)、取り上げたいこと、語りたいことがいっぱいあるんですが、それらについては、冒頭にも書きましたが、"今週GIANT KILLING"のログをたどって、読んでいただければと思います。
監督が主人公のリアリティ路線のサッカー描写!
イキイキと躍動する登場人物たちの魅力・楽しさ!
ETUのサポーターになった感覚で一喜一憂できる幸せ!(笑
人それぞれ持ち合わせいる主観というのは違うと思いますが、とにかく、私にとっては、毎週毎週何かを語りたくなってしまうような、楽しくて楽しくて仕方のない作品なのです(笑
最近は、ジャイキリもメディア関連の露出も増えてきて、特別に私がジャイキリの魅力を語る必要性はなくなってきたようにも思いますが、サッカー好きでもそうでなくても楽しめる、間口の広いサッカーマンガだと思いますので(ここのところのバランス感覚は絶妙)、まだ読んだことのないって方は、一度手にとってみてはいかがでしょうか。今からでも、全然遅くはないですよ!
※
さて、単行本6巻は、今までの法則でいくと、7月23日ということになりますね(確定情報ではありませんので、あしからず)。
いつもながらに、巻末の6巻の予告の出来は素晴らしいなぁと思うのですが、内容的には、名古屋戦後の余韻の部分と、いよいよ"あの男"が登場します!
次回は、サッカー描写よりも、人間ドラマの方が主体となっていきますが、多分、期待を裏切らない内容になっていると思いますので、単行本派の人は3ヵ月後(?)を楽しみ待っていてくださいね!
※
今回は、もっと時間をかけて記事を書きたいなぁと思っていたのですが、結局は、日常生活の忙しさと、他にも未消化の記事があったりもしますし、単行本の発売から時間が経っているわりに、あまりたいしたことが書けなかったのが、すごく心残りです。
ただ、毎週の連載を読んで、その当時に感じたことは、なるべくそのすべてを、書き留めておくようにはしているので、(その当時書いた推測が思いっきり外れてたりして、恥ずかしい思いをすることが多々ありますがw)"今週のGIANT KILLING"のカテゴリーと、合わせて読んでいただければ、より私がジャイキリを楽しんで読んでいる部分を感じ取ってもらえるはずです。
■ 収録
#38~#46
週刊モーニング2007年45号~2008年2・3合併号
リーグ戦第5節、名古屋グランパレス戦試合終了まで収録
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『GIANT KILLING 4』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2008.02.02 19:23
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お待たせいたしました。
『GIANT KILLING』4巻の正式版(?)レビューです。
バレ要素を嫌う方、初版限定ステッカーの画像が見たい方は、簡易レビューの記事を(この記事内はやんわりバレ要素がありますので注意)、モーニングの連載を読んだ当時の感想は、『今週のGIANT KILLING』のカテゴリーを遡ってご覧になっていただければと思います。
連載当時に読むのと、単行本で改めて読むのとでは、数ヶ月のラグがあり、その間に自分の作品に対する考えや意識などが微妙に変化してたりして、自分で読んでいて面白かったりします(笑
※
さて、4巻の見どころはと言いますと・・・
東京ヴィクトリーとのプレシーズンマッチで可能性を感じる戦いを見せ、開幕戦のジャベリン磐田戦の序盤でも、いい流れで試合を進めていましたが、たったひとつの不運ともいえる失点から一気にリズムを崩し、0-4と大敗を喫してしまったETU。その後どうなってしまうのか? ・・・というのが3巻までの流れでした。
そして4巻は、その後のETUのシーズン序盤の戦いぶりと、そこから派生していく、ETUを取り巻く人々(監督、フロント、選手、サポーター)のドラマがひとつ。
そして、シーズン序盤のヤマとなっていく、ETUとは因縁のある不破が監督を務める名古屋グランパレス戦。4巻では、キックオフ直後までの収録となっていますが、ETUの脅威となりそうなブラジル人トリオの登場などは、ジャイキリらしい楽しさがあって、"5巻への期待感"という意味合いも含めて必見です。まぁ、このあたりについては、5巻のレビューの方で触れていくことになると思います。
※
達海がETUの監督に就任したことにより、それを快く思わない者たちと、信じようとする者たち。それぞれの考え、思いが織り重なり紡がれていくドラマが、面白かったです。
達海のやり方が気に喰わず、反発し練習をボイコットする黒田(&杉江)に対し、達海のやり方の意図を汲み取ろうとし、再考を促す、子供っぽいキャラの多いジャイキリにおいて、その大人っぷりが際立つチーム最年長の緑川。そんな緑川の言葉を、真摯に受け止め、冷静に考え、黒田を説得し、最終的には、達海の下で戦う意思を見せるようになった黒田のシーン(達海のことは気に入らないままでしょうけどw)も、そのひとつ。
そして今回、私の心を一番強く揺さぶったのは、連敗続きで結果が出ない、達海率いる新生ETUに憤り(その根底には10年前の出来事も背景にはあることでしょう)、それで、まぁ・・・サポーターの抗議行動の代名詞とも言える"バス囲み"を実行した、ユナイテッド・スカルズのメンバーたち。その説得に当たった、達海をETUに招聘した張本人のGM(ゼネラルマネージャー)・後藤のシーンです。このシーン、読んでいて連載当時も、単行本で読み返したときも泣けました。
自分が連れて来た監督を、GMである後藤が信じるというのは、当然のことなのかもしれない。
けれど、そんな当然であるべき責任をまっとうできず、自己保身に走るようなお偉い人は、決して少なくないじゃないですか。
そんな中、後藤は、バスを囲む大勢いるサポーターの前に、たったひとりで説得に向かった。
監督である(その中には友人であるという意味も含まれてるかもしれない)達海を守るために。
そんな、後藤の男気に、それに1話の達海をETUの監督として迎えるためにイングランド中を探し回ったことや、達海を迎えようと思ったその経緯なんかを思い返しながら読んでいたら、本当に泣けてきました。
4巻は、サッカー描写よりも、こういった人間関係の描写に、心打たれるシーンが多かったと思います。
※
その一方で、監督としての達海はどうだったかいうと・・・
うーん、どうなんだろう。
負けグセ返上のために、達海が行ったサッカーテニス。
その意図は、ネガティブな状況の陥ったときにでも、素早く切り替える意識を浸透させるためであったと解釈してますが・・・。私には、少々納得しにくいものがあったかなぁ。
『GIANT KILLING』は、監督が主人公のサッカーマンガではありますが、戦術とか理論的な部分をマニアックな方向に強く求めすぎてしまうと、物足さがあるというか、"ハズレ"になってしまう可能性もあるかなぁと思います(達海の"奇抜さ"のイメージが先行しすぎてる印象が強いかなと)。
私も、心の隅でそう思っている部分は確かにあるんですけど・・・、だけど、『GIANT KILLING』という作品の面白さの本質は、"自分もETUサポーターになった気持ちで、ETUをとりまくドラマの数々を一緒になって熱狂し楽しんでいく"ところにあると思ってます。
その視点で考えると、私にとっては、他とは比較できないほど、最高に好きな作品です。それは、このブログ内での扱いを見てもらえれば、一目瞭然だと思います(笑
心の底からこみ上げてくるような熱さだけでなく、自分のひいきにしているサッカークラブを追いかける楽しさも兼ね備え(同じサッカークラブを舞台にした、『オレンジ』や『オーレ!』だとシビアな感情の方が強い、まぁ、みんな大好きですけどねw)、"適度にリアルサッカーの面白さのエッセンスを抽出しながらも、マンガとして、サッカーに詳しくない方でも、イキイキとした登場人物たちの魅力でもって楽しく読むことができる"
そんな、サッカー好きでも、そうでなくても楽しめる、非常にトータルバランスの優れたサッカーマンガだと思います。
私個人の主観で言わせてもらえば、有無を言わさずに「とりあえず読め!」と、押し付けてでも読ませたいほどなのですが(笑)、最近はいろんなメディアやブログなどで取り上げられることが多く、それをきっかけにジャイキリに興味を持った方は、ぜひ一度読んでもらえたなぁと思います。
※
さて、4月23日の発売が有力視される5巻ですが・・・
4巻の終盤からスタートしたグランパレス戦がメインとなっていきます。
今度は、サッカーマンガらしく、サッカー描写で魅せてくれます!
(やっぱり、私としてはサッカー描写を楽しみたいw)
グランパレスの選手たち、ブラジル人トリオに板垣、監督の不破など・・・は、敵役にしておくにはもったいほどの素晴らしい個性を見せてくれて(5巻のレビューのテーマはここですねw)、シーズン序盤のターニングポイントとなる試合して、面白い出来となっていますので、単行本派の方は、巻末の予告を眺めながら楽しみに待っていてくださいね!
いつもながら、この予告、ストーリーの"流れ"を的確に捉えた、素晴らしい出来です。単行本買うとき、1話と1話の間にあるカットもそうですが(半袖ネタに吹きましたw)、巻末の予告も楽しみにしています。
ていうか、予告読んで、毎週連載読んでる私の方がワクワクしまくりで、特に最後のコマ、あのシーンを思い出すだけで鳥肌立ちます。あぁ、5巻の発売が今から本当に待ちきれない!
■ 掲載
#28~#37
週刊モーニング2007年34号~44号
リーグ戦4節vs名古屋グランパレス キックオフ直後まで収録
※
あとがき。
いろいろと語りたい場面が多くて、いざ、単行本のレビューとしてそれらをまとめようとすると、すごく難しく、今回もうまくまとめられなかったなぁと反省。連載雑感で書くときは、頭に浮かんだことを、ひたすらに文章に書いてくだけなので、やりやすいんですけど・・・(笑
まぁ、また次。
気持ちを切り替えて、いいレビューが書けるように精進したいです。
タグ : GIANT-KILLING
『GIANT KILLING 4』簡易レビュー
2008.01.24 00:16
Amazonおすすめ度:

『GIANT KILLING』4巻、本日発売!!
・・・というわけで(すいません、もう日付変わる寸前なんですが)、ちゃんとしたレビューは、もしばらくお待ちいただきたいのですが、とりあえず、初版限定ステッカーと、ごく簡単な今回の見どころについて、サクッとまとめてみたいと思います。
今回の初版限定ステッカーは、"I ETU"ということで、↑の画像のようになってます。
まぁ・・・、可もなく不可もなく(笑
ステッカーがついてくるのは、本当に初版分のみとなっているので(1巻で確認済み)、欲しい方は早めに入手しておいた方がいいと思います。
んで、本編の方はと言いますと・・・
収録範囲は、#28~#37の10話分。
リーグ戦第2節サンアロー広島戦から、第4節名古屋グランパレス戦のキックオフ直後までとなっています。
開幕戦で、序盤こそ優勢に試合を進めていたものの、思わぬ失点から、0-4と大敗を喫してしまったETU。そこから、シーズン序盤の転機となりそうな、グランパレス戦にいたるまでのETUというクラブのさまざまなドラマが見どころとなっています。今回は、次なる展開への"タメ"といった要素が強いかな。
今回の見どころシーンのヒントは、単行本の表紙に描かれている人物にあります(ドリさんの姿が、帯で隠れてしまってますがw)。
その中でも、私の心を強く揺さぶったのは、ETUのGMである後藤のエピソードでした。
その詳細、その他の感想などについては、また後日きちんとしたレビューの方で書いていきますので、もうしばらくお待ちください。
あとそうだ、ジャイキリに登場する、リーグジャパン1部所属のクラブとそのロゴが、明らかにされていて、先日まとめ記事で、今後登場しそうなクラブについて書いていた私としては、ちょっと違った意味で楽しめました(笑
ドンピシャとはいきませんでしたが、まぁ・・・、それほど的外れでもなかったので、正直ホッとしてます。けど、リアルJ1に所属したことのない、あの場所のクラブがあったとは予想外でしたね。
あとは、正式版のレビューにて。
すいません、うまくまとめきれず中途半端になってしまいました。
タグ : GIANT-KILLING
『GIANT KILLING 3』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2007.10.29 00:43
お待たせ(?)いたしました。
『GIANT KILLNG』3巻の正式版レビューです。
やんわりとバレ要素がありますので、それが嫌うなら、 簡易版レビューの記事へ。初版限定ステッカーの画像が見たい方も同様にお願いいたします。
連載当時に書いた記事を読みたい方は、 今週の『GIANT KILLING』のカテゴリーより遡ってみてください。ジャイキリ好きの方は、 コミックのレビュより、そちらを読んでもらった方がいいような気がします。
【3巻の見どころ】
3巻の見どころについて、簡易版レビューよりもう少し突っ込んで書いてみたいと思います。
大きく分けると3つ、ヴィクトリー戦のプレシーズンマッチのクライマックス、 開幕前のプレスカンファレンス編、(シーズン前日のエピソードを挟んで)いよいよ待ちに待った開幕戦 といったところが描かれています。
※
まずは、東京ヴィクトリーとのプレシーズンマッチの後半戦。
2巻の最後のところで、フリーキックを決められ同点に追いつかれてしまったETU。
後半に向けて、達海は、王者ヴィクトリーに対し、ガチンコの真っ向勝負を挑みに、より攻撃的にシステムを変えていくのですが、
そんなETUの後半の戦いぶりに注目です。
そして、フリーキックを与えるファールをしてしまったのが、 2巻のレビューでも個人的に取り上げましたが、試合の序盤では好プレーを見せ、先制のアシストもし、 輝きを放っていた椿でした。
意気消沈して、ハーフタイム中のロッカールームで、自分のミスをチームメイトに謝る椿。
それに対し、達海は、「ここでナヨっちまったら前半のお前は意味ねえぞ」と、 もう一度椿に気持ちを取り戻すよう言葉をかけ、ピッチを送り出します。
前半のミスを取り返すため、達海の期待に応えるために、 再び強いハートを持ってプレーし始めた椿。
その椿が、その後の展開に絡んでくるので、注目しておきましょう。
そしてそして、ヴィクトリー戦のクライマックス。
3巻の中で、ここがストーリー的に一番盛り上がるところだと思います。
達海によってキャプテンから外されてしまった村越。
いや、キャプテンという重圧から解放されたからこそ、見せてくれたものなのでしょう。
これには、もう言葉はいらないですね。
ジャイキリが好きで、感情移入しながら読んでいる方なら、 この"ミスターETU"と呼ばれる男が演出してくれた、 最高のクライマックスに、胸が熱くならずにはいられないはず!
※
続いては、プレスカンファレンス編です。
プレスカンファレンスとは、リアルJリーグでは、開幕前に毎年行われている、 全クラブの監督と選手(キャプテンが出るのが普通?)が集まったプレス向けのイベントで、 ジャイキリの世界(リーグジャパン)でも、プレカンは再現されているようです。
全クラブの監督が集まるということで、今後ストーリーに絡んできそうな新キャラ(他クラブの監督など)が 登場してきます。ジャイキリの世界らしく、個性的豊かな人々ばかりです(笑
そして、ここでの一番の見どころは、各監督がシーズンの抱負などを話す場面での、達海の発言。
「この国の今年のサッカー界……
俺が面白くしてやるよ」
と、関係者たちに向かって、思い切り宣戦布告しているシーンは、 達海の表情もイキイキとしていていいなと思います。
それからもうひとつ。
イベント後、監督会議が終了した後に、もうひとり新キャラとの出会いがあります。
それは、代表監督であるブランという名のフランス人なのですが、 似たような感性を持つこのふたりのやりとりにも注目です。
※
そして、いよいよシーズン開幕となっていくのですが、今回はその部分には触れません。 開幕序盤の展開として4巻の方でまとめて取り上げようと思っています。
【今回のメイン】
3巻のストーリー的に、最高に盛り上がるのは、先ほど取り上げたように、ヴィクトリー戦のクライマックスで、 もちろん私もそのシーンは大好きなのですが、それとはちょっと違った趣旨で個人的な大好きな部分を、 今回のメインとして書いてみようと思います。
それは、ETUというサッカークラブを取り巻くあらゆる人々の、 リーグ開幕前日のエピソードを描いた#25のお話です。
何が好きって、やっぱり、待ちに待った新シーズン開幕戦を直前に控え それぞれが期待に胸躍らせているワクワクしているところですよ!
選手名鑑を必死に覚えてるコウタ、達海を監督に迎え今までのETUとは違うを見せるために意気込む有里と後藤、 達海を男にしようと一丸となっているコーチ陣、達海に不満はあってもETUを勝利に導くために戦おうとするスカルズの面々など・・・
不安な気持ちも当然あると思うんですけど、何よりみんな楽しみにしてるんですよね!
その楽しみにしている気持ちが、個々のキャラクターの表情からすごくよく伝わってきて、
読んでいてこっちもワクワクしてしまいます。
私(だけではないはず!)も、その気持ちは、すっごくよく解るので(笑
簡易レビューで書いた・・・
"開幕に向かって加速していくワクワク感を一緒になって楽しもうぜ!"
というのは、主にここをイメージして書いたつもりです。
"ジャイアント・キリング"というタイトル名から考えれば、1話での達海の発言のように・・・
「弱いチームが強い奴らをやっつける
勝負事においてこんな楽しいこと他にあるかよ」
という部分が、一番の作品の本質であって、私自身もサッカーマンガとして、その部分に大きな期待をしていますが、 ETUという小さなクラブを愛する人々のイキイキとした表情も、 感情を大きく突き動かすインパクトはないかもしれませんが、私にとっては大きな魅力であるのです!
【コミックならではの要素】
3巻のコミックならではの+αの要素として・・・
キャラクター紹介がETUユニフォームとスポンサーロゴの紹介に3巻では置き換わっています。
・・・胸スポンサーの"OEDO EXPRESS(大江戸通運)"は運送会社の方だったかぁ。
まとめ記事で、いろいろ深読みして見事に外してるのは秘密です(まぁ、いつものことですがw)。
1話と1話の間に描き下ろしのカットが入っています
コミックを買うとよく見かけるあれです。
個人的には、ブランのやつが妙にツボでした(笑
手作り感のある4巻予告
次巻予告については、以前も絶賛してますが、いつもながら素晴らしく、ツジトモ先生は
これだけでもいい仕事してるなぁと思います。
断片的なのですが、コマのつながりがしっかり意識されていて、マンガなのだけど 映像が頭の中に流れてくるかのように、イメージできて、私はすごく好きなんですよね~。 "普通そこにはそんなに力入れないでしょう?"ってぐらいに凝ってると思います(笑
【4巻展望】
さて、続く4巻では、開幕戦後のETUの戦いぶりが描かれていきます。
開幕戦は、思わぬ大敗を喫してしまったETU。
果たして、達海はプレスカンファレンスでの宣言通りのサッカーを展開していくことができるのか?
コミック派の方は、巻末の予告を読んで(なんとなく展開をイメージできると思います)、 ワクワクニヤニヤしながら待っていてください(笑
【あとがき】
う~ん、思ったよりも時間がかかってしまいました(^^;
でも、結局いつも通り、グダグダになってしまった感が否めないなぁ。
また次、気持ちを切り替えて、記事の質を上げられるように、
ラーメン屋の親父を見習って、前向き頑張りたいと思います。
【掲載】
#24~#33
週刊モーニング2007年24号~33号
リーグジャパン開幕戦vsジャベリン磐田まで収録
タグ : GIANT-KILLING
『GIANT KILLING 3』 簡易レビュー
2007.10.23 22:32
当ブログで猛烈プッシュしているサッカーマンガ、『GIANT KILLING』のコミック3巻が、今日発売となりました!
正式版レビューの方は、しばらく時間がかかるので、とりあえず、初版限定ステッカーについてと、3巻の見どころを簡単にまとめてみたいと思います。
まずは、ここまで恒例となっています、初版限定ステッカーについて。
・・・えっと、写真が曲がっているのは、気にしない方向で( ̄▽ ̄;)
今回のステッカーは、ETUのマスコットキャラ"パッカくん"です。
個人的には、今までのステッカーの中で、一番いいんじゃないかと思ってます。
"(c) EAST TOKYO UNITED"の表記も、芸が細かいですよね(笑
ステッカーは、初版限定とのことなので(重版は本当にステッカーないのか確認してないので知りませんが)、どうしても欲しいって方は、早めに本屋さんへ急ぎましょう!
そして、本編の方なのですが。
今回の収録範囲は、#18~#27の10話分で、プレシーズンマッチ・東京ヴィクトリー戦の続きから、リーグジャパン開幕戦・ジャベリン磐田戦までの回となっています。
主な見どころは・・・
ヴィクトリーとのプレシーズンマッチ。
同点に追いつかれてしまったETUの後半の戦いに注目です。クライマックスのシーンは、きっと・・・。
リーグ開幕直前に行われるプレスカンファレンス。
そこには、これからストーリーを盛り上げてくれるであろう新キャラたちの登場、そして、プレカンでの達海の発言にも注目です。
開幕直前、期待に胸膨らませている、ETUを取り巻く人々たちのそれぞれの想い・・・。
そして、いよいよ始まるリーグ開幕戦のETUの戦いぶりは??
とまぁ、こんなところでしょうか。
気持ちをより盛り上げるために、2巻後半のヴィクトリー戦のスタートから読み始めると、なおGoodかと思います(笑
あんまり書くと、正式版レビューのネタがなくなってしまうので書けませんが(笑
まだ未読の方に、3巻について一言で伝えるなら・・・
"開幕に向かって加速していくワクワク感を一緒になって楽しもうぜ!"
って感じになるかな。
あとは、正式版レビューでいろいろ書きたいと思います。
今週は、あれこれ所用が多く、連載の方でさえも、いつも通り木曜にはアップできないかも・・・って状況だったりするので、気長に待っててやってください。
タグ : GIANT-KILLING
『GIANT KILLING 2』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2007.07.29 21:52
お待たせいたしました。
管理人が連載当初から(←一応ここ強調させてくださいw) 強くプッシュしているサッカーマンガ、 『GIANT KILLING』2巻のレビューです。
ほんのりバレとなる要素があるかもしれないので、そのあたりはご注意を (核心部分に触れてはないと思います、たぶん)。
う~ん、そうですね~・・・。
自分の思ったことは、ほとんど連載の雑感の方で書いてしまってるので、
いざ、コミック用にと言われても何を書いていいのか困ってしまったりするのですが・・・(笑
コミック2巻は、シーズン前のキャンプから、プレシーズンマッチ・東京ヴィクトリー戦の前半までが収録されています。
■ 主な見どころ
ここまで明らかにされてなかった、ETUの選手たちとその個性も見えてきて、 それぞれの立場や人間関係というのは、今後のための布石となっており、 チェックしておくポイントだと思います。
ただ、個人的には(というか同様の指摘されている方はわりと多いですが)、 このキャンプの部分は、もっとじっくりと描いてもよかったのかなって気がします。
コミックで、改めて読み返すと、案外キャンプ編は短かったんだな感じますしね。
そして、プレシーズンマッチ編の方では、達海の授けた作戦によって、いかにしてヴィクトリーからゴールを奪おうとするのかというのがひとつと、ヴィクトリーの代表候補でもある持田がダークな微笑みを見せたプレーのシーンでしょうか。
後者の持田のあの笑みをはじめとして、ツジトモ先生の描くキャラたちは、みんな表情がすごく生き生きとしていていいですよね~。そのあたりも、作品の魅力であるし、見どころでもあると思います(絵柄的には賛否はあるようですが、私は好きですよ)。
■ 椿大介について語ろう
2巻の収録範囲での私自身のお気に入りは、いかなるときでも自由気ままで優雅に振舞う王子(=ジーノ=ルイジ吉田)存在感もそうなんですけど(笑)、 今回は、サテライト上がりの若芽・椿大介について語っていきたいと思います。
椿は、今季サテライト(野球で例えるなら2軍的なもの)から上がってきた若手選手(作中のサテライトの描かれ方に違和感を覚えるのですが、それについてはここでは触れません)で、ズバ抜けたスピードと攻撃のセンスが持ち味のボランチ(守備的MF)です。
#4~#5(コミック1巻収録部分)の紅白戦では、最高に輝くプレーを見せ、 サテライトのコーチもしつこいぐらいにプッシュしたというほどの才能を持った椿ですが、なぜか、キャンプではからっきしダメ・・・。
果たして、その原因はどこにあるのか?
それを語るエピソードは、コミックを読んで、ご自身で確かめてほしいところなのですが、彼の弱点というか、抱いているコンプレックスから解放するために、達海(主人公)が椿に対してかけた言葉のひとつひとつと、そこから、実戦(ヴィクトリーとのPSM)で強いハートを持ってプレーでその期待に応える椿の姿に、私の心は強く揺さぶられました。
このエピソードは、『GIANT KILLING』らしい魅力のひとつだと思います(達海の、相手のネガティブな部分を決して否定せずに、モチベートさせるやり方は、素晴らしいと思う)
・・・と、秘めたるポテンシャルの片鱗を見せた椿ですが、自分の根本となる部分は、そう簡単には変われるわけでもなく、この先はちょっと・・・というところではあるのですが(そう簡単にいかないところがまたいいのです)。
達海が現役時代つけたいた7番を受け継いだこの男が、ETUの再生を担うキーマンとなっていくのは間違いないと思っているので、作品を通じて成長し、真なる意味で強いハートを持ったプレイヤーになっていく椿の姿を、見守っていきたいなぁと思ってます。
■ 3巻予告
さて、コミック3巻は、ヴィクトリー戦のクライマックスから始まり、シーズン開幕直前の、プレスカンファレンス編が収録されると思われます。
ヴィクトリー戦のクライマックスは、最高の盛り上がりを見せてくれますので、単行本派の方は、3巻を楽しみに待っててくださいね~。
発売時期は、9~10月が予想されます。
発売時期が明らかになれば、当ブログでも鬱陶しいほどに告知すると思います(笑
■ ステッカー
2巻にも、1巻同様初版限定でステッカーが付いてきます。
今回は、ETUのサポーターグループ"ユナイテッドスカルズ"のロゴステッカーになっています。ステッカーがほしい方は、早めにコミックを購入しておきましょう。作品の知名度も徐々に上がってきているので、油断してると、初版本はなくなってしまうかもしれないですよ?
■ あとがきと過去ログ
・・・と、書きたいことは他にもいろいろあるのですが、それは、 毎週の連載の雑感で書いてるところでもありますので、今回のところは、椿のエピソードにポイント絞ってまとめてみました。
過去の連載雑感のログについては、 『GIANT KILLING』のタグをつけた記事 を辿ってみてください。5月12日以前のものが、2巻の収録範囲となっています。
うちのブログの読者様は、『GIANT KILLING』のファンが多く (私自身がひいきしてるので当然と言えば当然かなw)、その方々の期待に沿うことができたかどうかは分かりませんが、自分は自分で王子(ジーノ)のごとく、自由気ままに優雅・・・ではないけれど、語っていきたいと思ってますので、これからもよろしくお願いいたします。
■ 掲載
#08~#17、週刊モーニング2007年13~23号
東京ヴィクトリーのプレシーズンマッチの前半まで収録。
タグ : GIANT-KILLING
『GIANT KILLING 1』 / 原作:綱本将也 漫画:ツジトモ
2007.05.05 16:46
私とって、神かがった面白さを誇るサッカーマンガ、『GIANT KILLING』の 1巻です。古い記事への追記ではなく、新たに1から書き直しました。
前回記事はこちらより。
初版限定のステッカーとカラーページがないことの不満が書かれてます(笑
まずは、簡単にストーリーを説明しますと、イングランド5部のアマチュアリーグ所属、イーストハムの監督として、チームをFAカップ(日本でいう天皇杯的存在)ベスト32にまで導いた主人公・達海猛が、かつて中心選手として活躍した古巣の、"イースト・トーキョー・ユナイテッド"(通称・ETU)の監督へと就任し、毎年降格争いを彷徨うチームを立て直していく・・・というお話です。
作品のタイトルにもある、ジャイアントキリングとは、"大物喰いの大番狂わせ"と作品のコピーにもありますが、弱小チームが強豪チームをやっつけるという、サッカーにおいて(それに限った話ではないですが)は、しばしば起こり、見る者を熱狂させるもののことです。
この作品について、これまでも、さんざんプッシュしてきました(笑
それで、今回何について書こうか・・・と、ずっと考えていて(それが更新が遅くなった理由のひとつであることは秘密ですよ?)、その結論として、自分が『GIANT KILLING』が最も好きである要因、それはサッカー、いや、あえて
フットボールと言っておきましょう。フットボールに対する"ハート"の部分について、書いてみたいと思います。
"ハート"(英語で書くと"heart")を、英和辞典で調べると、"心臓"って意味が最初に出てくるのですが、それはひとまず置いといて(笑)、"心"とか"愛情"とか"勇気"・"熱意"、それから、"真髄"とか"本質"という言葉が載っています。
そのあらゆる"ハート"が、この作品には、いっぱい詰まっているんです。
それは、選手に対して否定的なことは言うのではなく、ひとつひとつ諭すように、かみ締めるように言葉をかけ、選手をモチベートする達海の言動だとか・・・
達海がETUを去り、チームが2部に落ちて以降、自分のすべてをかけてETUのために戦ってきた村越のエピソードだとか・・・
ETUのためにひたすら働き続け、貧血で倒れてしまう有里の話とか・・・
同点に追いついただけなんだから調子に乗るなと叫ぶナイスババア(言葉汚いですが愛情を感じます)とか・・・
それぞれ意味合いは違えど、"ハート"という部分は共通で、それらの"ハート"は自分の感情を高揚させてくれる・・・
その感覚が、たまらなく好きなんですよね~。
その部分は、サッカーに関したことを描いてるんだけど、サッカーを知らなくても、共感できるところで、現に、サッカー好き以外の人の支持も多いみたいです。
それで、今回一番好きだったのが、イーストハムの会長が達海を日本に帰してあげようと発言したシーンです。
すいません、以下ちょっとバレ要素を書きますがご容赦ください。
当初、達海をETUの監督へすることに強く反発し、あと2年残っている契約の違約金として、100万£(日本円で2億以上とありますが、詳しい相場は知りませんw)を支払うことを要求します(実際そんな違約金が取れるのかも知りません)。
ですが、有里(ETUの広報&会長の娘)が、イーストハムの居心地がいい理由、規模は小さくても皆が心を込めて町ぐるみで応援していて温かいという、ETUとの共通点があることと、ETUの窮地を救えるのは、達海しかいないという後藤(ETUのGM)絶対的な信頼を知り・・・
そして、何より達海も、有里と同様の理由で、イーストハムの町を気に入っていて、達海の心の底には、ETUへの決して自分たちには踏み入ることのできない想いがあると、悟った会長は(そのときの会長の表情がすごく寂しそう)、 達海を日本へ帰すことに同意します。
その会長が、また粋なことを言うんですよね。
100万£の違約金については・・・
「FAカップを勝ち上がったことによる観客収入
そして放映権料すべて合わせて100万£
このクラブに……
タツミが支払ってくれたよ」
その会長の言葉に対し、当然のごとく、町の人から反発を受けるんですが、
「帰してやろう! タツミを
この町にそっくりな日本の町に
(中略)
なぁ皆……
今度はタツミを……
故郷で活躍させてやろうじゃないか……
」
っていう、このシーンは、すごく泣きました。
(思い切り自分流の解釈を加えてしまいましたけど・・・)
そしてここで、完全に心をつかまれました(笑
なかなか言葉で伝え切れなくて、申し訳なく思うんですが、実際に感情移入させながら読むと、本当に涙が止まらなくなります。感想書くために、読み直したときも、やっぱり泣きました。
それから、作品の他の魅力についても、さっくりと述べておきます。
まずは、リアリティ路線のサッカー描写。
そんな都合よくはいかないのではっていう、部分はあるのですが、
ベースとなるロジックの部分はしっかりしてると思いますし、それ以上に、何かが起こるというワクワク感の方が強いので、私はこれでいいと思います。サッカー部分については、また、別の機会に触れたいです。
もうひとつは、ツジトモ先生の作画。
達海の天然なキャラクターとともに、作品を読みやすくしているのに、大きく貢献してると思います。元々の『U-31』からの読者としては、最初戸惑いを感じましたけど、達海のキャラにすごく合った、ポップな絵柄で、いいと思います。また、2巻の予告も、よくありがちな、ダイジェストシーンを機械的に貼ってつけたものではなく、ツジトモ先生のすごく丁寧な手描き感があって、私は気に入ってます。
とまぁ、そんな感じで、作品の魅力について、すべてを書ききることはできませんでしたが、それらについては、まった追ってブログの中で書いていければなと思います。
この作品の魅力は、1話にひと通り込められているので(あれだけを読み切りにしても十分いけると思う)、できれば、モーニングのホームページの方で試し読みとかできればいいんですけど(さりげに主張しておきますw)、残念ながらそれはできないので、この記事を読んで興味を持ってもらえたなら、まずは、モーニングの連載の方でチェックし見てください。
■ 掲載
週刊モーニング2007年6号~12号。
#01~#07、有里のエピソードの回まで収録。
■ おまけ
それと、参考までに綱本将也先生原作の過去作の比較について。
文章中に上手く組み込めなかったので、おまけとして、本文からは分けておきます。
暑っ苦しいほどの、生々しさのある人間ドラマという方向性が、『U-31』【amazonで見る】。
その暑っ苦しさや吉原基貴先生の作画(作品にはすごく合ってて私は好きなんですが)は、少々とっつきにくく、コミックの売り上げ自体は良くても、雑誌のアンケートは悪く、最後は打ち切りとなったそうです。
そして、熱血的な少年マンガ的な味付けがされているのが、『Goal Den Age』【amazonで見る】。
序盤は、すごく好きなのですが、その後はキャラクターの成長が加速的に進んでしまって、自分の読みたい方向性に進んでくれなかったのが残念だった作品でした。
どちらも、綱本先生の原作らしさというのは出てますので、興味のある方は読んでみては?
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