今週の連載雑感(2010年5月31日~6月6日)
2010.06.06 18:01
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- コラソン ~サッカー魂~
- 少年疾駆
- MAGiCO
- 龍時
- うるとらスーパーさぶっ!!
『MAGiCO 5』 / 佐久間力
2010.04.21 21:04
※ネタバレとなりうる要素も含んでいますのでご注意ください
書くのが少しばかり遅くなってしまいましたが、『MAGiCO』5巻の感想です。
高校総体県予選を戦う撫高。
1次予選の3回戦、閃光の司令塔・脇坂を擁する湘南育英に苦戦を強いられた撫高でしたが、最後は蔵希の魔法(マジコ)が炸裂し2-1で勝利。
5巻では、そんな湘南育英戦の勝利が決まった瞬間後、喜びを爆発させる撫高メンバーたちの様子を描いたシーンから始まっていきます。
そして、話は1次予選の決勝へと話は移っていきます。
1次予選決勝の相手は青葉第一。
青葉第一は、身長が190cm以上あるというセンターバック2人、難攻不落のツインタワー黒田と福島がゴール前に立ちはだかる、本来だったらシード校クラスの実力を持つ相手。
そんな相手に撫高はどんなサッカーを見せてくれるのでしょうか?
※
5巻の見どころは、まるまる描かれていく青葉第一との戦い。
黒田&福島のCBツインタワーは、攻撃でもツインタワーを成し、攻撃時にはゴール前まで上がりFWとして果敢にゴールを狙っていく・・・。
ゴール前で持ち前の高さを活かしたプレーもあれば、レフェリーのジャッジを上手く味方につけようとするクレバー(狡猾)さもあったり、何よりケガすることを恐れない攻守に渡った激しいプレーで撫高を苦しめるツインタワーの2人。
FWのごとくCB2人が同時にゴール前に上がるというのは、漫画だからこそできるプレーではありますが、これはこれで面白いんじゃないかと思います。
じゃあCB2人が同時に上がるなら、上がったそのスペースを突けていけばいい。
しかし、ゴール前の攻防を守り切った撫高が、カウンターで攻めようとしても、CMFの可児小太郎があり得ないほどのスピードとスタミナ、的確なカバーリングで撫高の攻撃の芽を摘んでいきます。・・・いくら漫画とはいえ、これは反則かもしれません(笑
結局は、その可児にもゴールを決められてしまい、0-3とリードされた状況でハーフタイムを迎えることになる撫高。
5巻の本当の見どころはここからにあります。
撫高の苦戦の要因のひとつなっていたのは、撫高の左サイドが再三に渡って破られ、クロスを入れられてしまっているところありました。
蔵希を除き、3点のリードを奪われ意気消沈する撫高のメンバーたちの中でも、特に自分のところを破られてしまった左SBを守るダッキーこと喜田は強い責任を感じています。
そんなダッキーに言葉をかけたのは蔵希。
蔵希は、ダッキーのユニフォームを脱がせると・・・
「こんだけ汗かいてる奴を誰が責めんだよ」
と、ユニフォームを絞ります。
そんな蔵希の行動が、ダッキーばかりでなく、他の選手たちの闘志をも蘇らせていく・・・。このシーンがすごく私は好きですね。
そして後半、前半とは打って変わって意地を見せ始めるダッキーは、相手の突破を止め、相手のスライディングも軸足でブロックしつつキープし、勝利への執念を見せて蔵希へとつなぐ。
蔵希もダッキーの思いに答えるべく、可児のマークが迫る中、魔法(マジコ)ではなくすねに当てた状態で、強引に脚を振り抜いてシュート。それが、思いも寄らぬ軌道を描きゴールが決まる・・・いやぁ、このシーンは熱かったですね。マジコを発動させたのではなく、気持ちで決めたゴールだったところがまた良かったんじゃないかと思います。
その後は、今後のきっちり魔法(マジコ)でもってゴールを決める蔵希。
蔵希の発動する魔法(マジコ)は、やはり読む者をワクワクさせてくれます。
シンプルで王道的はあるけれど少年漫画らしい熱血さと、サッカーというスポーツを崩さない程度に漫画じゃなきゃできないスペシャルな個人プレーを魅せてくれるサッカー描写。このあたりのバランスがひとつの少年サッカーマンガ漫画の形として優れていて、個人的にはリアリティ側にバランスが振られた作品の方が好きではありますけど、これはこれで面白いなぁと思いますね。
サッカーマンガにおけるリアリティとファンタジーのバランス感覚の好みって人それぞれあると思うんですけど、適度にサッカーもしていて、“適度にファンタジーのあるプレー描写もあってほしい”という作品をお求めなら、一度手に取ってみてほしいなと思います。
※
さて、続く6巻では、青葉第一戦の続きが描かれていくことになるはずですが・・・
単行本の帯にもありますが、現在佐久間先生は、『岡崎慎司物語』の読み切りを月刊少年ライバルに掲載中ということで、『MAGiCO』の連載をお休みしています。
なので、まだ6巻収録分も連載されていないですし(別の言い方をすれば、単行本と連載のライムラグがないので、連載を追いかけるなら今ですよ!)、単行本が発売されるのは結構先になってしまうと思われます。
果たして、まだ1点のリードを許している撫高は、同点、そして逆転していくことができますでしょうか。5巻のラストにチラッと登場した謎の少女の正体と共に気になるところです。
■ 掲載
STAGE16~STAGE19
月刊少年ライバル2009年12月号~2010年3月号
青葉第一戦。3点のリードを許している撫高が2点を返すところまで収録。
タグ : MAGiCO
今週の連載雑感(2010年2月1日~2月7日)
2010.02.07 19:19
今週の連載雑感(2010年1月4日~1月10日)
2010.01.10 20:37
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
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- MAGiCO
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サッカーシーンがなかったですが、『群青シザース』についても少し書きました。
今週の連載雑感(2009年11月30日~12月6日)
2009.12.06 18:24
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN
- MAGiCO
あぁ、しまった。
草場先生が出ているサカダイに気を取られて、サカマガ買ってくるの忘れてました・・・orz
『MAGiCO 4』 / 佐久間力
2009.12.06 18:24
※ネタバレとなりうる要素も含んでいますのでご注意ください
少しずつ面白さが増してきていて、個人的には今後の注目作のひとつに挙げたい、『MAGiCO』4巻の感想です。
高校総体県予選を勝ち進む撫高。
2回戦終了後、弱小の撫高になぜか入学していた元U-15代表の右SBの片倉哲平がチーム加わり、迎える3回戦の相手は湘南育英。
“閃光の司令塔”の異名を持つ脇坂直人を擁する湘南育英を相手に、撫高はどんな戦いを見せてくれるのか。また、新戦力の哲平はどんなプレーを見せてくれるますでしょうか。
※
冒頭にも書きましたが、『MAGiCO』は、少しずつ面白さが増してきてると思います。
基本的に、名のある必殺プレーが飛び出す(と、言ってもマジコを使うのは主人公だけですが)マンガ的なサッカー描写の作品ではあるんですけど、その中でも、創造的な閃きやプレーといったサッカーの魅力的な部分を上手く作品に取り込めているので面白いなと思います。
巻数を重ねていく過程で、ファンタジーである部分とサッカーの面白い部分のバランスが取れてきて、磨かれてきていると感じます。
哲平が右SBにもかかわらず、中央からパス交換でボールを持って上がり、センターサークル付近でキープしてタメを作り相手を寄せ付けたところで、相手ディフェンスの裏を取った蔵希に絶妙なパスを送る。ボールを受けた蔵希は、“ヴァーラ ヂ ペスカ (海神の釣り竿)”というマジコを発動してGKをかわし、カバーで残ってる脇坂のタイミングをずらすようにトゥーキックでシュートを放つシーンや・・・
哲平がビックブリッジで相手をかわし中に切れ込み、2回のシュートフェイントを混ぜ、最後はシュートを見せかけて軸足に当て、それを蔵希が決めるといったシーンなどは、そういった面白さがあったと思います。
作画的には、熱さを持った少年マンガらしく、力強さを押し出したものになっていますが、このあたり、もう少し柔らかさとでも言いましょうか、演出面で緩急の表現が見られるようになってくれば、もうワンランク上の作品になれるのではないかと思ってます。
もしこれがリアリティさやウンチクといったものを前面に出すような作品だとしたら、もっと注文つけたくなる部分もありますけど、そういうものではないですし、これはこれでいいと私は思います。まだまだ発展途上にあると思っているので、今後にさらなる期待をしています。
※
ストーリーの方も、いつも通り、ありきたりなところはありますが、熱いものを見せてくれました。
湘南育英の脇坂は、不整脈が持病であり、そのため激しい運動をすることが許されない。その制限があるがゆえに、パスの精度を極限まで高め、試合の流れを的確に読むことによって、最小限の動きで最大限のプレーができるよう努力し続けた。その結果が、“閃光の司令塔”という異名を持つプレーヤーになったということ。
その脇坂は、蔵希のプレーを止めるため、そして勝利するために、自らの力を解き放って同点ゴールを決めます。
しかし、無理をしすぎたがゆえ、監督からは交替を命じられてしまいますが、これが最後の大会である脇坂に悔いを残させないため、一緒に最後までプレーさせてほしいと願い出るチームメイトたち。
その気持ちを汲み取った監督は、脇坂に1分だけのプレーを許し、それまでは休んでいるように命じるのですが、そこから両チームの全力を尽くした戦いというのが熱かったですね。
蔵希も蔵希で、ひたすらに走り続け、注意されますが・・・
「もし何もしないで負けちまったら いや勝ったとしてもだ…
残った体力の分だけ気持ち悪いんだよ!」
という蔵希の言葉には、グッとくるものがありました。
シンプルだけど熱を帯びたストーリーに、リアリティ路線ではないけれど創造的なプレーの面白さを感じられるサッカー描写。
手放しで絶賛するレベルとまではまだいかないですが、私は結構好きですし、期待もしています。まぁほら、中村憲剛選手も読んでますし、内容に興味があればぜひチェックしてみて下さい。
憲剛選手といえば、巻末のおまけマンガでは、月刊少年ライバル10月号に掲載された、佐久間先生と憲剛選手が対談された時のことが描かれています(残念ながら、対談記事の掲載はありませんでしが)。憲剛選手は、講談社から本を出版した事情もあるのでしょうが、講談社のサッカーマンガ絡みでよく見かけますねー。
※
さて、続く5巻では、次なる戦い、県1次予選の決勝が始まっていきます。
次もまた個性的なチームとの戦いになっていくのですが、撫高がどんな戦いを見せてくれるのかは、読んでみてのお楽しみです。
■ 収録
STAGE 12~STAGE15
月刊少年ライバル2009年8月号~11月号
湘南育英戦、試合終了のホイッスルが鳴る瞬間まで収録
タグ : MAGiCO
今週の連載雑感(2009年10月5日~10月11日)
2009.10.11 20:25
■ 今週の雑感リスト
- ANGEL VOICE
- LOST MAN(2週分更新)
- MAGiCO
- うるとらスーパーさぶっ!!
記事では取り上げませんが、現在発売中のヤングジャンプに高橋陽一のインタビューが2ページ掲載されています。
陽一先生が、なかなか興味深いことを発言してらっしゃるので、興味のある方はチェックしてみて下さい。
・・・まぁ、これを読んで、分かってはいたけど、多くの読者と陽一先生との間にあるギャップが埋まることはないんだなぁと、改めて痛感させられてしまいました・・・。陽一先生に、読者の声はどのように届いているのだろうか・・・。また、編集サイドは、どう受け取っているのだろうか・・・。
今週の連載雑感(2009年8月9日~8月16日)
2009.08.16 15:19
『MAGiCO 3』 / 佐久間力
2009.08.05 23:24
※ネタバレとなりえる要素が含まれていますのでご注意ください
「こんな選手と一緒にサッカーできたら最高に楽しそう。
僕も魔法(マジコ)を使いたい!」
と、帯にて中村憲剛選手がコメントしている、『MAGiCO』3巻を読んだ感想です。
高校総体神奈川県一次予選、海老名東高校と対戦している2回戦は前半、 海老名東の10番・別所が直接フリーキックを決め、撫高は先制を許してしまいます。
その後、蔵希もマジコ・“ガット ハーボ”を繰り出し、相手ゴールに迫りますが、 これまでPK以外の失点がないという、海老名東のGK・糟谷が守るゴールを破れず、結局0-1のまま前半終了。
過去に別所との間に何かトラブルがあった光のプレーも精彩を欠いたまま、 ハーフタイムを迎えるところから3巻は始まっていきます。
※
熱血的な王道ストーリーと蔵希の魅せる“マジコ”が面白い『MAGiCO』。
佐久間先生も徐々に慣れてきているのか、作画の力強さも増し、良くなってきているように感じます。
3巻の見どころは、試合の決着がつく海老名東戦の後半。
光と別所の過去を知ったカトパンは、光に言葉をかけます。
「オレたちは11人しかいないんだ
オレもお前も他の者もみんな代わりはいない…
だからと言って絶対に退場にするなと言うわけじゃない
全力を出し切っての結果ならオレたちは誰も責めたりはしない!
結果を恐れるな 思いっきり行け!」
これによって光は、過去を振り切り、撫高サッカー部として前進していく、 この場面が好きでした。
そして、撫高は、まずは同点に追いつくために反撃を開始していきます。
糟谷からゴールを奪うために、ひたすら“ガット ハーボ”を打ち込んでいく蔵希。
ただ闇雲に同じマジコを使い続けるのではなく、ボールに回転を加えてみたり、
クロスボールをダイレクトに打ってみたりなど、技を変化させながらゴールを狙っていきます。
そして、ついに糟谷によってロックされ続けた鍵ををこじ開けることに成功!
「オレの魔法(マジコ)は進化するんだよ!」
同じ技を変化、進化させ、あくまで真っ向勝負で挑み続け打ち破っていく蔵希の姿勢。 そこが、熱くさせてくれましたね。
同点に追いついてからは、光と同様、過去を振り切り前進し始めた別所を中心に、あわや失点(結果オフサイド)という場面もあったりましたが・・・
「絶対勝―――つ!!!」
最後は、別所との競り合いから、マジコ・・・ではなく、ダイビングヘッドでゴールに押し込んで逆転。
ありきたりではあるけれど、勝利のために執念を燃やすというのは、それもやはり、熱くさせてくれるものだと思います。
あと見どころと言えば、3回戦の話も出てきますが、新キャラ・片倉哲平の登場ですね。
なぜゆえ、U-15代表だった男が、廃部の危機にあるような撫高にいるのかよく分かりませんが (少年マンガのお約束に突っ込んではいけないのですよ?w)、サイドバックでありながら、優れたパスセンスを持つという哲平の活躍は4巻でのお楽しみです。
それと、見どころというか・・・、“カトパン=偽プジョル”とネタにされてるのには笑ってしまいましたね。
リアリティ路線のサッカーマンガではありませんが、登場人物たちが魅せる熱さ、リアリティ路線ではなくてもサッカーに大切なもののひとつである“閃き”の要素はある作品だと思うので、(現段階では、プッシュしたいというよりは、あくまで個人的には好きというニュアンスではありますが)興味のある方はチェックみてはいかがでしょうか。
まだまだ、伸びしろはあるように感じるので、これからに期待してます。
※
さて、次の4巻では、3回戦の湘南育英戦が描かれていきます。
「パスのコースは無限だよ」
たとえ縦のパスコースが消されていようとも、ボールに驚異的なカーブをかけパスを通し、高度な技術とサッカーセンスにより、最小限の働きで一瞬だけ輝きを放つことから、“閃光の司令塔”と呼ばれる脇坂直人がいる湘南育英を相手に、撫高はどんな戦いを見せてくれるのでしょうか?
4巻は、今冬に発売されるとのことです。
■ 収録
STAGE8~STAGE11
月刊少年ライバル2009年4月号~7月号
蔵希が哲平と出会うところまで収録
タグ : MAGiCO